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日経平均株価34年ぶり高値更新 スタートアップで考えるべき視点

今回は、日経平均株価が34年ぶりに高値更新した先日のニュースを受け、スタートアップで考えるべき視点についてまとめてみました。
社会情勢をしっかりと理解し、スタートアップとしてのマインドセットを日々更新していきましょう!

スタートアップで考えるべき視点

日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新しました。一部からは「新NISAを歓迎する声」「株高を喜ぶ声」「バブルを疑う声」など様々な意見が聞こえてきますが、スタートアップの観点から冷静に考えてみるとポイントは次の2点に集約されるかと思います。

1つ目は日経平均が「225銘柄の単純な平均株価に過ぎない」ということです。この34年で銘柄の入れ替えが多く行われていて、単純に数字を比較することにそれほど大きな意味はないでしょう。

2つ目は株式市場の役割の1つが「企業が資金調達をする場」ということです。言わずもがな株高の地合いは、市場から資金調達をするスタートアップにとってはどちらかと言えば喜ばしい状況と言えるでしょう。

上場について考える出発点「ショート・レビュー」

スタートアップはEXIT(上場やM&A)を志向することが多いですが、今回は上場での準備段階で行われる「ショート・レビュー」に注目してみましょう。皆さんの会社の現状を思い浮かべながら、今後の方向性の参考にしてみてください。

ショートレビューとは会社の経営診断の一つです。監査法人が上場を検討する会社に対して、上場に向けた課題を確認するために調査を行います。会社の現状を調査し、上場するために必要な水準と現状とのギャップを把握、そして解決すべき課題・改善ポイントを具体化する一連のプロセスの名称です。

具体的にどんな内容が調査されるのでしょうか。いくつかある調査対象の中でも、中小企業にも必要とされる3つに焦点を当てていきます。

ショート・レビュー対象の1つ目は「利益管理体制」です。具体的には中期経営計画(3~5年)、単年度の予実管理、月次決算体制についての調査が監査法人により行われます。みなさんの会社では「経営計画」を作っていますか?売上計画、採用計画、投資計画などあなたがイメージしているものを計画に落とし込む習慣・制度を定着させましょう。いまの事業に役立つだけでなく、上場を決断したときにもその仕組みが活きてくるはずです。

ショート・レビュー対象の2つ目は「業務管理体制」です。具体的な調査対象は販売、購買、在庫管理、プロジェクト管理、固定資産管理、資金繰り管理、労務管理などです。これらの一部は創業期は後回しにされがちかもしれません。しかし、高い利益率を維持し隙の無い経営をしていくためには、これらも仕組みとして落とし込むことが大切です。最近はクラウドソフトが進化してきていますので、多額のコストをかけずにある程度の体制をつくることができるでしょう。

ショート・レビュー対象の3つ目は「経営管理体制」です。具体的な調査対象は株主総会・取締役会の運営状況、それら議事録の整備状況、各種規定類の整備などです。非上場会社や同族会社では、これらの管理をあいまいにしているケースが散見されます。しかし、税務調査などでもこれらの規定類はチェックをされますし、何よりも議事録が欠けていることで将来大きな損失を被ったり、対応に多大な労力を要する可能性があります。会計事務所に依存するのではなく、自社でしっかりとした管理体制を整備するのが求められるスタンスです。

今回のシリーズコラムでは「ショート・レビュー」について焦点を当てました。あらためて皆さん自身の会社を思い浮かべてみてください。整っている体制はどれくらいありますか?これから整えるべき点はいくつありますか?これらを最短経路で整えるには専門家の活用が必要になるときもあるでしょう。顧問の税理士・弁護士・社会保険労務士へ相談をしたり、柏市スタートアップコンシェルジュの制度を上手く活用して、強い組織体制の構築を進めてください。


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