2022年に「スタートアップ育成5年計画」が発表されてから、スタートアップに向けて数多くの支援策が実施されてきました。しかし、その支援は多岐にわたり、あまり知られていない支援策があるという話を現場では耳にします。今回は、スタートアップに特に有効な支援策にフォーカスをあてながら、国の枠組みと合わせて、柏市がスタートアップ向けにつくった支援制度を紹介します。
スタートアップとは
そもそもスタートアップという言葉はどんな企業を指しているのでしょうか?
経済産業省の資料では次の3つを満たす企業をスタートアップと定義しています。
1.新しい企業であって
2.新しい技術やビジネスモデル(イノベーション)を有し
3.急成長を目指す企業
巷では「スタートアップ」という言葉は一般的な「スモールビジネス」と混同されて使われることがありますが、国としては明確な意図をもって「スタートアップ」という言葉を使っていることが分かります。
スタートアップの意義
それでは、なぜ日本政府はスタートアップの支援を行うのでしょうか?
その理由は3つあります。
1.スタートアップが「経済成長」のドライバーになる
2.スタートアップが「雇用創出」にも大きな役割
3.スタートアップが「新たな社会課題を解決」する主体としても重要
米国の経済成長はスタートアップの存在が大きかったと言われています。例えば米国株式指標S&P500が10年で約7倍となる伸びを示していますが、GAFAMを除いた形で算出すると日本の株式指標TOPIXと同じ伸びにとどまっており、スタートアップであったGAFAMの大きさが読み取れます。
経済効果の観点では約19兆円のGDP創出(経済成長)、52万人の雇用創出という試算がされています。また「子育て・教育」「環境」「医療・福祉」「インフラ・設備」「産業・ビジネス」「農林水産」などの社会課題を解決する観点からもスタートアップへの期待は年々高まってきています。
スタートアップ育成5年計画
そんなスタートアップを支援するための「日本政府の方針」をご存知でしょうか?
その方針は2022年11月に発表された「スタートアップ育成5か年計画」に集約されています。今後5年間の官と民によるスタートアップ集中支援の全体像が示されました。
全25頁の中の一部を紹介します。
「我が国を代表する電機メーカーや自動車メーカーも、戦後直後に20代・30代の若者が創業したスタートアップとしてその歴史をスタートさせ、その後、日本経済をけん引するグローバル企業となった」
スタートアップに関わる方にはぜひ全頁を読んで欲しい内容です。
5か年計画の目標は次の言葉に要約されます。
・官民で一致協力してスタートアップエコシステムを創出する。
・スタートアップへの投資額を8,000億円から10兆円へ増やす。
・ユニコーン100社、スタートアップ10万社創出し、日本をアジア最大のスタートアップ集積地とする。
これらの目標達成のために、大きな3本の柱に取り組むことが明記されました。
1.スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築
2.スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化
3.オープンイノベーションの推進
1~3それぞれのポイントをお伝えします。
1つ目の柱である人材・ネットワークの構築については、スタートアップで最も大切なのは「人」であると明記し、スタートアップの担い手を育成し、起業を加速するとしています。
2つ目の柱である資金供給の強化と出口戦略の多様化については、スタートアップが大きく成長するのに必要な「資金」であり、ベンチャーキャピタルや個人からの投資を拡大について触れています。
3つ目の柱であるオープンイノベーションの推進については、出口戦略としてM&Aを増やすなど大企業とスタートアップとのオープンイノベーションを推進するなどと書かれています。
柏市の取り組み
国の取り組みもさることながら、柏市では国内有数の最先端技術が集まる地域特性を活かし、市内産業の活性化を図るため、令和5年度より『つどう(企業集積)・つながる(交流機会)・つくりだす(イノベーション)』をコンセプトにスタートアップ支援パッケージを実施しています。
次回からは、スタートアップ、スタートアップを目指す起業家であるあなたに向けて、スタートアップに役立つ施策を、支援に関わる専門家の視点で具体的に紹介していきます。「どれが自社の成長に役立つか?」という視点でご覧ください。
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