事業概要
株式会社Jmeesのミッションは「全ての人々に安全で質の高い治療を届ける」であり、ビジョンは「情報革命で外科の常識を創り変える」です。事業内容は内視鏡外科手術におけるAI手術支援システムの開発です。社会的課題として手術中の事故による臓器損傷があり、これにより患者 QOL 低下や医療コスト増大をもたらします。この要因は、解剖構造の確認不足や誤認が挙げられ、修練中の外科医が行う手術によりリスクが大幅に増えることがわかっています。そこで解剖構造をAIを用いて可視化し外科医の臓器認識を支援することで安全な手術を可能にするためのシステムを開発します。国立がん研究センター東病院から生まれたベンチャー企業であり、同病院との共同研究により手術動画を全国から収集し、損傷リスクの高い臓器を自動認識するための教師データ作成、AIモデル構築、製品化のためのソフトウェア開発を行っています。
事業の強みを教えてください
手術における臓器の自動認識を行うためのAI構築において、教師データの作成は非常に重要であり、これまで国内最大の手術動画データベースを活用し大規模なアノテーションデータ数を保有しています。また手術における臓器のアノテーションは境界が不明瞭であることが多く標準化が非常に難しいなか、手術画像に対してピクセルレベルの精緻なアノテーションで精度・再現性を担保するSOP(作業手順)を有しています。技術レベルとしては、医用画像のトップカンファレンスであるMICCAIが開催している画像認識コンペティションMICCAI Challengeの内視鏡画像認識部門で2021年、2022年共に世界1位の精度を達成しています。
創業したきっかけを教えてください
東京大学大学院で病理画像のAI診断の研究を行いながら、医療AIのスタートアップで創業期を経験しました。その後、国立がん研究センター東病院の手術動画のデータベース構築とAIによる手術画像認識の研究を技術開発でリードしました。その研究を行っていると、外科手術では想定外の事態に陥りやすい現実を知りました。また手術の質が施設や個人により大きく違うことを知り、不運によって人が命や健康を失ってしまう現状を変えたいと思い、外科医と共にJmeesを創業しました。
御社のビジネスによって、社会はどう変わっていくのでしょうか
AIの技術革新によって、近年では自動車の事故防止やドライバーのストレス軽減、または将来的には自動運転の実現などが期待されているが、この情報革新が外科の世界にも適用されていくと考えられます。自動車のカーナビのような機能が手術のナビゲーションであり、車の自動運転なども手術ロボットとAIの連携によって実現される日が訪れると考えます。株式会社Jmeesが行うことは最先端テクノロジーを外科の世界に実装することです。これにより、外科の常識を創り変え、外科の飛躍的進歩に貢献します。そして、すべての人々が安全で質の高い治療を受けられる社会を目指します。
柏市との関わり・つながりを教えてください
株式会社Jmeesは国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)から生まれたベンチャーであり、そこに在籍する外科医と共に会社を立ち上げたため、本社の立地としても、がんセンターの近くにあるインキュベーション施設の東葛テクノプラザにあります。
柏市や柏の葉エリアの魅力を教えてください
国立がん研究センター東病院の中の医師と一緒に開発を行うことで、臨床現場の声を聞きながらニーズにあった製品を作ることができます。また柏の葉で医療機器のベンチャー企業が少しずつ増えてエコシステムができてきていると実感します。ベンチャー企業同士で悩みの相談がしやすくなってきただけでなく、インキュベーションプログラムを通して専門家からのアドバイスを受けれる環境も整備されてきていると実感します。
柏市ではベンチャー企業を増やしていこうとする勢いを感じます。悩みを共有したり相談できる環境や専門家に聞ける環境がどんどん整ってきていると感じます。近くには国立がん研究センター東病院や東京大学の柏キャンパスなどもあり、臨床現場の声が聞ける場所があったり、東京大学の学生をインターン生として参加してもらい開発も行うことができたりとチャンスが多くあります。ぜひ、この柏の場所で一緒に挑戦しましょう。
Webサイト・SNS
◾️ コーポレートサイト:https://www.jmees-inc.com